【遺伝子から考える】茶トラにオスが多い理由

サムネイル猫雑学

最終更新日 2024年10月3日 by neecat

どうも、neecat(にーきゃっと)です。

今回、あるSNS投稿で、”茶トラの性別でメスの子はいますか?”というのを見かけました。

メスの茶トラはいないわけではありませんが、確かに、茶トラにはオスが多いですよね。

実家で飼っていた猫も茶トラもオスでした。

そこで、なぜ、「茶トラにはオスが多いのか」について考えていきたいと思います。


  遺伝子から考えると答えは簡単

以前に、下記の記事を書きました。

この記事を読めば察しのいい人は、なぜ、茶トラにオスが多いのかわかるかもしれません。


 ヒントはO遺伝子

猫の柄を決めるのは、様々な遺伝子があります。

例えば、

  • W遺伝子ー白色をつくる
  • T遺伝子ータビー(縞模様)をつくる
  • I遺伝子ーシルバーをつくる
  • O遺伝子ー茶毛をつくる

などがあります。(まだ、他にも遺伝子がありますが割愛します。)


茶トラを形成するのは、茶毛をつくる”O遺伝子”、そして、トラ柄(縞模様)つくる”T遺伝子”が必要となることがわかると思います。

ここで、オスとメスで遺伝子の持ち方が変わってくるのがO遺伝子です。

  • 大文字のO遺伝子は、茶毛をつくる
  • 小文字のo遺伝子は、黒毛をつくる

このことを踏まえて、少し染色体のお話をします。

猫の染色体は19対(38本)です。そのうち18対(36本)は、オスメスともに同じになります。

最後のオスとメスの違いを決める染色体1対(2本)が問題になります。この対は、

オスメス
染色体の組み合わせXYXX

上記でO遺伝子はX染色体に乗って遺伝すると書きました。このことから、O遺伝子を、オスは1つメスは2つ持つことができるということです。

つまり、オスはO遺伝子を大文字か小文字のどちらかを持つことしかできません。

しかし、メスはO遺伝子の大文字・小文字の両方を持つことができます。


要するに、オスは茶猫or黒猫にしかなれないのにたいして、メスは茶と黒が混在した2色の猫になれるのです。

(これは、メス猫にしか三毛がいない事実と繋がっています。)



 確率を考える

オスメス
染色体の組み合わせXYXX

上記の表から確率を考えていきましょう。(ほかの遺伝子の確率はオスメス同等とします)

条件を整理します。

  1. O遺伝子には、茶毛にする大文字Oまたは黒毛にする小文字oの2種類がある
  2. O遺伝子は、X染色体にしか乗りません

これら2つの条件から茶トラになる確率をオスとメスの両方を考えていきます。

オス

オスはX染色体が1つしかありません。

そして、O遺伝子が大文字Oになる確率は1/2です。

なので、1/2の確率で茶トラになります。

メス

メスはX染色体が2つあります。

2つのX染色体にO遺伝子の大文字O・小文字oが乗る組み合わせは、

OO・Oo・oO・oo

(X染色体それぞれ区別しています)

この中で茶トラになるのは、両方とも大文字OをもっているOOの場合のみです。

なので、1/4の確率で茶トラになります。



というわけで、オスの茶トラのなりやすさは、メスの2倍という事になります。



  結論

茶トラにオスが多いのは、オスとメスの染色体の違いとO遺伝子により茶毛のみになる確率がメスに対して2倍の違いがあるから。



  neecatの小言

O遺伝子は、染色体の影響を受けます。

なので、性別が違えば、実は違う柄の猫だったかもしれない、ということがあるようですね。

まぁ、どちらにせよオスでもメスでも、どんな柄でも、愛してくれる飼い主のところで猫ちゃんを飼ってあげたいですね。



 参考文献

・ネコもよう図鑑ー著:浅羽 宏

・猫は毛色と模様で性格がわかる?ー監修:堀川みのり 村山美穂





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