【猫の模様】生まれてくる猫はどんな柄?『遺伝子編』

サムネイル猫雑学

最終更新日 2024年9月24日 by neecat


どうも、neecat(にーきゃっと)です。

突然ですが、猫の柄について興味を持ったことがありませんか?

よく里親募集などで兄弟そろって、募集がかけられていることがあります。なんとなく直感で、子供の柄は親の柄のどちらかを引き継いでいるのだろうなぁ、と思っていたのですが・・・

親とは違う柄の子がいたりします。

どういうことなんでしょうか?

今回は、猫の柄について、親から子へどのように伝わるのか、考えていこうと思います。




  雑種猫の基本的な毛色


まず、猫の毛色について、基本的には、

  • 黒(アグチ)

がよく野良猫などで見かける雑種猫の基本カラーになるそうです。(もっている遺伝子によって灰色や赤色になるようです)


 黒(アグチ)って?

キジ猫は、この毛に当てはまります。毛の1本をよーく観察すると、黒と茶縞模様になっています。このアグチ毛は、「アグーチ」という名前の動物が由来になっています。アグチ毛は、猫以外にも狸などにもみられる毛です。


では、ここからどのようにして柄ができるのでしょうか?



  模様をを決める遺伝子


猫の毛色や柄を決める遺伝子の働きを一覧表にします。

ここでは、優性遺伝子を大文字のアルファベット、劣性遺伝子を小文字のアルファベットで表します。

基本的には、遺伝子をAaと持っていた時、優先して柄に現れるのは、大文字のA、すなわち優性遺伝子の働きが現れます。

(今回は、よくいる雑種猫をメインに考える為、スフィンクスの毛なしやデボン・レックスの縮れ毛など珍しい遺伝形質については入れません。)


この表は簡単に分類できる遺伝子一覧表になります。

実際には、これ以外にも色や柄をつくる遺伝子がいますが、それらについては以下に書いていきます。


  縞模様をつくる遺伝子


縞模様をつくる遺伝子は、T遺伝子になります。縞模様を持っているということは、同時にaa(A遺伝子)ではないということがわかります。(逆に、aaを持っている場合は、T遺伝子をもっていても、柄が出ません)

  • TT or Tt- マッカレル・タビー
  • TTa or TaTa- ティックド・タビー
  • tbtb ー クラシック・タビー

上記のような遺伝子を持っていると各々に対応した縞模様を作ります。

マッカレル・タビー

マッカレルとは、「サバ」の意味。よく見るオーソドックスな縞柄。キジトラ、茶トラなどがこれに分類される。

ティックド・タビー

アビシニアンやソマリなどにみられる縞模様。首、四肢、尻尾に縞模様が現れる。

クラッシック・タビー

アメリカンショートヘアーなどに見られる縞模様。縞が太く、渦巻き状になっているのが特徴。



  O遺伝子


突然ですが、このO遺伝子が、「三毛猫はメスしかいない」の真相を作っているのです。

この遺伝子は、X染色体に乗って遺伝する遺伝子です。(伴性遺伝子)

ここで、オスとメスの違いを遺伝的に考えます。

猫の染色体は19対(38本)です。そのうち18対(36本)は、オスメスともに同じになります。

最後のオスとメスの違いを決める染色体1対(2本)が問題になります。この対は、

オスメス
染色体の組み合わせXYXX

上記でO遺伝子はX染色体に乗って遺伝すると書きました。このことから、O遺伝子を、オスは1つメスは2つ持つことができるということです。



ここで、O遺伝子の働きは、毛色を決めることです。O(大文字)は、茶系色の毛色に、o(小文字)は、黒系色の毛色にします。

この二つを同時に持つことで、この猫は、2色の猫になります。そして、そこに遺伝子Sが入ることで、三毛猫を形成します。

要するに、三毛猫になるための最低条件は、Oを2つ持つことができる、ということです。それができるのは、X染色体を2つ持っているメスのみです。

これが「三毛猫はメスしかいない」の真相なのです。


  各々の遺伝子の優位性


これら紹介した遺伝子の中で、柄に現れる優先順位というものがあります。

W > O > A 

次のような優先順位があります。

これが意味することは、例えば、W(大文字)を1つでも持ってしまうと、ほかの柄を作る遺伝子をどのようになっているかわからない、ということです。

そして、O遺伝子をオスの場合はO(大文字)、メスの場合はOO(大文字)をもってしまうと、A遺伝子について言及することができません




  持っている遺伝子を考える


最低限の知識が揃いました。

まず、親猫は、茶トラのオスサビ柄のメスで考えていきます。この2匹の遺伝子を考えましょう。

実家猫(茶トラオス)
写真ACより拾い画像(サビ猫)


 茶トラオスの遺伝子

まず、体全体が白ではないことに注目します。このことから、茶トラはww(どちらも小文字)を持っています。

次に、毛色に注目します。「茶」トラなので、毛の色は茶色です。この茶色を決めているのはO(大文字)になります。

今回、O(大文字)をもっているので、O>Aの優位性があるため、A遺伝子について言及することができません。

今回は、オスなのでO遺伝子は一つしか持っていません。

次に柄について考えましょう。体全体が黒を持っておらず茶(濃いめ)の縞模様(マッカレル・タビー)ができています。白色はどこにもありません(ところどころ白っぽく見えますが・・・無視します)。このことから、

・体全体に色を持っている → CC or Cc

・色が濃い → DD or Dd

・マッカレル・タビーである → TT or Tt

・白ブチなし → ss

毛の長さは短いのでL遺伝子をLLまたはLlと持っていることになります。

よって、茶トラオス遺伝子は、

ww O C- D- T- ss L-

(-は大文字か小文字か不明であることを示します)



 サビ柄メスの遺伝子


同様の要領で遺伝子を考えていきましょう。

体が白一色ではないので、wwと持っていることがわかります。

次に、サビ柄は黒い毛と茶色もっている為、O遺伝子は、Ooと持っています。(今回はメスなのでO遺伝子は2つ持つことができます)

体全体に色があり、色が濃いので、C(大文字)、D(大文字)を持っていることがわかります。

茶の部分では縞模様が出ている為、T(大文字)をもっています。

次に黒の部分には縞模様が見られないため、アグチ毛ではないことがわかります。このことからaaを持つことがわかります。

次に白いブチは、ありません。なのでS遺伝子は、ssと持っていることになります。

毛の長さは短毛と思われるのでL(大文字)を持ちます。

よって、サビ柄メスの遺伝子は

ww Oo aa C- D- T- ss L-

(-は大文字か小文字か不明であることを示します)



ここまでが『遺伝子編』となります。

次に、親から子供のへの遺伝で柄がどのようにでるか、『考える編』で考えてみましょう。



  neecat の小言


書いていて、よくわからなくなってしまう部分がありましたねー・・・。

実際には、猫の柄を決める遺伝子は他にもありますが、今回は割愛します。

というより、まだまだ勉強不足で、上手く書けない部分がありました。反省です。

猫の遺伝子については、今後も勉強していこうかと思います。

また機会があれば、猫の種類を広げて、柄を考えていこうと思います。(この記事も改善していきたいですね)




以上、生まれてくる猫はどんな柄『遺伝子編』でした。


◎ 参考文献

・猫の教科書ー著:高野八重子・高野賢治

・ネコもよう図鑑ー著:浅羽宏

・猫の事典ー監修:今泉忠明

・猫は毛色と模様で性格がわかる?ー監修:荒堀みのり、村山美穂





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