最終更新日 2024年11月1日 by neecat
どうも、neecat(にーきゃっと)です。
以前の記事:「【本】脳の働きを学べる本 」として「できない脳ほど自信過剰 パテカトルの万能薬(著:池谷裕二)」を紹介いたしました。
今回は、その中の項目の一つに「猫好きな人はもしかして……」というものがありました。
今回は、その内容について自分なりに色々、調べたり、考察を書いていこうと思います。
<目次>
1. 前回の記事での要約
2. トキソプラズマに感染する危険性
3. 人への感染経路
4. 結局、猫を飼うのは危険なのか?
5. neecat の小言
前回の記事での要約
前回の記事では、内容を
「猫に寄生する寄生虫に寄生された人間は、その寄生虫によって猫に対して好ましい感情を抱くように制御されているという話」
と書きました。
この部分は、内容の一部(自分が一番興味をもった部分)を抜粋、要約したものです。
この部分について、本書からもう少し詳しく抜粋、要約します。
〇 猫に寄生する寄生虫
この寄生虫の名前を「トキソプラズマ」といいます。
この寄生虫は、人や家畜など哺乳類に感染します。
世界人口の約30%(それ以上とも言われている)が感染していると考えられているそうです。
多くの人が感染していますが、実際は、健康な人に感染した場合、症状がでないことがあるそうです。
なので、自覚なしに感染している可能性はあります。
〇 なぜ、猫のみ話にでてくるの?
トキソプラズマは、有性生殖と無性生殖の二つを行うことができます。
無性生殖は、どこでも行うことができますが、有性生殖については、猫の体内のみでしか行うことができません。
その為、トキソプラズマは、いかにして猫に感染するかが重要になってくるわけです。
そして、その方法が、猫以外の哺乳類に感染した場合は、猫に対して好意的にさせる、ということなのです。
〇 猫に対して好意的にさせるとは?
トキソプラズマが哺乳類に感染した場合の感染個所は、主に脳と筋肉です。
では、感染した場合、脳と筋肉はどのような症状がでるのでしょうか?
本書では、ネズミを使った実験について書かれていました。
ネズミの実験結果
本来、ネズミは猫が天敵であるが故に、猫のニオイを察知しただけでも逃げ出してしまいます。しかし、トキソプラズマに感染したネズミは、猫に対して恐怖心が薄れます。むしろ、猫に近づこうとするネズミもいたそうです。さらに動きを緩慢にさせます。
その為、感染したネズミを猫に捕食されやすくし、猫に感染しやすくするように働くのです。
そして、このようにトキソプラズマに感染した人も同様に、動きが緩慢になり、無気力になる症状がでやすくなるそうです。
★ここまでが以前の記事を要約した内容★
トキソプラズマに感染する危険性
前項で、トキソプラズマは主に脳と筋肉に感染すると書きました。
この「脳」に感染することが問題なのです。
〇 先天性トキソプラズマ症
妊婦に感染した場合、トキソプラズマは母子感染する可能性があります。
その為、胎児の脳の発達に影響を与えます。これを先天性トキソプラズマ症といいます。
そして、トキソプラズマによって脳の発達に影響を与えられた胎児は、統合失調症になりやすくなる一因と本書に書かれています。
また、その他の症状では、主に、水頭症、視力障がい、脳内石灰化、精神運動機能障害などがある。(詳しくは、参考URLを参照)
〇 後天性トキソプラズマ症
前項にも書きましたが、健康な人であれば症状がでないことがほとんどです。
しかし、稀に視力障害、眼痛などの症状が現れることがあるそうです。
気を付けなければならない人は、免疫不全の方です。
免疫不全の場合、脳炎や肺炎、脈絡網膜炎など重篤な症状を引き起こすそうです。
人への感染経路
感染経路としては3種考えられます。
〇 感染経路その1
題名の「猫を飼うのは危険?」と書いたのは、猫からトキソプラズマに感染する経路があるためです。
その感染経路とは、猫の糞便です。
実際には、猫が便をしたらすぐに処理してしまえば問題ないそうですが、詳しい話は割愛します。
〇 感染経路その2
前項で、トキソプラズマは人や家畜に感染すると書きました。
ここで問題になってくるのは、家畜が感染していることです。
感染した家畜の肉(豚)の過熱が不十分な肉を摂取することで、人に感染します。
しかし、十分に加熱した肉の摂取であれば問題ないそうです。
〇 感染経路その3
ガーデニングなど土壌との接触や井戸水など処理されていない生水の摂取によって感染することがあるそうです。
結局、猫を飼うのは危険なのか?
健康な人であれば、ほとんどトキソプラズマを心配する必要はなさそうです。
しかし、気を付けなければならないのは、妊婦や免疫不全者です。
猫の糞便から感染する可能性があるため、猫の糞便処理は、健康な人にしてもらうと良いかもしれません。
また、処理方法について、トキソプラズマは消毒液が効かないため、妊婦が触れない処理方法をおすすめします。(袋などにしっかり便を密閉、便に触れた処理道具は熱湯消毒など)
このように、多少の注意は必要ですが基本的に猫を飼うことに問題はないようです。
neecat の小言
この記事のタイトルを見て、猫を飼っている人はドキッとしてしまったでしょうか?
そうなった方、申し訳ありません。
今回は、本の内容を受けて書いた記事でしたが、猫を飼っていても特に問題ないと、調べていて思いました。
ちょっと難しい話になりましたが、この記事を読んで安心して猫を飼っていただけたらなと思います。
以上、猫を飼うことは危険なのかについてでした。
◎ 参考文献
・「NIID 国立感染症研究所」https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/sa/chlamydia-std/392-encyclopedia/3009-toxoplasma-intro.html
・できない脳ほど自信過剰 パテカトルの万能薬ー著:池谷裕二